HubSpot導入支援とは?おすすめの支援会社・失敗しない選び方

HubSpot導入支援とは?おすすめの支援会社・失敗しない選び方

HubSpotを導入しても、設定しただけでは成果は出ません。「自社で設定すべきか、外部に任せるべきか」と、多くの担当者がこの判断で迷うことでしょう。導入支援とは、ツールを入れることではなく「現場に定着させ、成果を生む仕組みを作ること」です。本記事では、おすすめの導入支援会社、公式支援と専門会社の違い、失敗しないパートナー選びのポイントを解説します。

なぜHubSpot導入は「支援なし」だと失敗しやすいのか

「アカウントを作成して、顧客データを入れればすぐに使える」と考えてHubSpotを導入したものの、半年後には次のような状況に陥るケースが後を絶ちません。

  • 結局誰も使っていない
  • 以前のエクセル管理に戻ってしまった
  • データは入っているが活用できていない

なぜ、支援なしでの導入は失敗しやすいのでしょうか。

HubSpotが失敗しやすい理由

HubSpotは、マーケティング・営業・カスタマーサクセスを横断してデータを統合できる高機能なプラットフォームです。しかし、その自由度の高さゆえに「どう使うか」を事前に設計しなければ機能しません。

失敗の原因の多くは、次の点にあります。

失敗の原因具体例
業務プロセスの定義不足「商談のフェーズ」を自社の営業プロセスに合わせて定義しなければ、売上予測もレポートも正しく出力されない
データ設計の欠如どの項目を、誰が、いつ入力するかが決まっていないため、データが蓄積されない
運用ルールの未整備現場が何をすべきか分からず、結局使われなくなる

何も決めずにツールを導入することは、間取り図のないまま家を建て始めるようなものです。導入支援が必要な最大の理由は、ツールの操作が難しいからではなく「業務とツールの整合性を取る設計」が難しいからです。

よくあるHubSpot導入後の失敗例

支援なしで導入を進めた企業でよく見られる失敗には、以下のようなパターンがあります。

失敗パターン詳細
定着しない(使われない)現場の入力負荷を考慮せずに設定してしまい、営業担当者が入力を拒否し、データが蓄積されない。
移行で詰まる(データ汚染)既存のSFAやスプレッドシートのデータをそのまま移行した結果、重複データや不要な項目が大量に発生し、収拾がつかなくなる。
部門間の分断マーケティング部門だけで導入を進めた結果、営業部門との連携が考慮されておらず、「リードは渡しているが、その後どうなったか追えない」状態になる。

紹介した失敗に共通するのは、システムの操作方法を知る前に「誰が・いつ・何の目的でそのデータを使うのか」という業務設計が抜け落ちていることです。HubSpotは非常に自由度の高いツールですが、裏を返せば「自社の業務フローが正しく定義されていないと、何をどう設定しても正解にならない」という特徴を持っています。

HubSpot導入支援で実際に行う支援内容一覧

HubSpot導入支援の実態は、単なる設定代行ではありません。自社の業務フローをツール上の仕組みに落とし込む「標準化のプロセス」です。ミスマッチを防ぐには、作業レベルではなく「どのような成果物が得られるのか」を把握する必要があります。

一般的な導入支援は、大きく以下の3つのフェーズに分類されます。

1.  要件定義・設計支援(業務整理・KPI設計)

HubSpot導入の成否を分ける重要工程です。まずは社内の「営業活動のルール」を整理します。

決定する項目決定する項目
現状分析とToBe像の策定現在の業務フローを可視化し、HubSpot導入後にどう変えるかを設計します。
データモデルの設計顧客情報、会社情報、商談情報など、どのようなデータをどのような項目(プロパティ)で管理するかを定義します。
KPI設計最終的に見たいレポート(売上予測、リード獲得数、商談化率など)から逆算して、必要な入力項目を洗い出します。

入力目的から逆算した設計が、形骸化を防ぎ、データ活用の成否を決定づけます。

2初期設定・データ移行・外部ツール連携

設計図に基づき、HubSpotを実務で稼働させるための環境を構築する実装フェーズです。

項目項目
ポータル設定パイプライン(営業ステージ)、プロパティ、自動化ワークフローなどの設定を行います。
データ移行支援既存データの名寄せ(クレンジング)を行い、HubSpotに適した形式でインポートします。
外部連携既存のWebサイトのフォーム連携、広告アカウント連携、チャットツール(Slack/Chatwork)や名刺管理ツールとの連携を行います。

分散した情報を一元的に管理し、部門間における情報の共有と伝達を正確にできるようにします。

3運用設計・定着支援・内製化サポート

「導入して終わり」にしないための、HubSpot活用の定着に関する支援です。

支援内容詳細
運用ルールの策定「いつ、誰が、何を入力するか」という運用マニュアルや権限設定を整備します。
オンボーディング(勉強会)現場のメンバー向けに、実際の画面を使った操作説明会を実施します。
内製化支援将来的に自社のシステム担当者だけで設定変更やレポート作成ができるよう、管理者向けのレクチャーを行います。

操作方法のレクチャーとルールの徹底により、属人化を排除し、継続的に成果を生む体制を構築します。

HubSpot公式が提供する導入支援の特徴

外部の支援会社だけでなく、開発元であるHubSpot社自身も導入支援を提供しています。

HubSpot公式の支援は、製品の仕様理解と標準機能を使いこなすための「コンサルティング型」のプログラムです。導入企業が自力でツールを使いこなすための「型」を習得することを重要視しています。

以下が公式が提供する導入支援の特徴です。

項目特徴
対象プランProfessional、Enterpriseプランが対象(Starterは対象外)。
支援スタイルアドバイザリー形式。設定や操作の「助言」を行い、実作業はユーザーが行う。
料金体系プランに応じた固定料金制。予算化が容易。
専門性自社プロダクトの仕様に精通。最新機能や他社事例を網羅。

HubSpotの公式支援の最大の強みは、開発元ならではの正確な情報提供にあります。特定の業務に特化させるのではなく、HubSpotが推奨する「標準的な活用モデル」を短期間で習得できます。「正しく使い始めること」に特化しており、自社に設定・運用を担うリソースがある企業に適した選択肢です。

HubSpot導入支援を専門とする支援会社の特徴

HubSpotが認定したパートナー企業(代理店)による、実務に踏み込んだ支援です。「ツールを導入すること」ではなく、HubSpotを用いて「自社の業務課題を解決すること」を目的として置いています。

項目特徴
支援目的顧客固有の業務課題の解決。マーケティングや営業戦略の立案も含む。
サポート体制伴走型。要件定義から設定代行、現場への定着まで一気通貫で実施。
柔軟性契約内容に応じた個別カスタマイズが可能。実務の棚卸しから介入。
専門領域業界特有の商習慣や、他システム(SFA/CRM)からの移行に精通。

クライアントの業務プロセスを理解し、組織の体制や戦略に合わせた最適な環境を構築します。公式支援ではカバーしきれない「設定作業の代行」や「部門間の連携フロー構築」までを担う点が特徴です。自社に設定リソースが不足している場合や、複雑な業務フローをHubSpotへ最適に適合させたい企業にとっておすすめの選択肢となります。

また、外部の支援会社には実績や管理顧客数に応じた「ティア(ランク)」制度があり、支援能力を客観的に測る指標となります。HubSpotが認定した「ソリューションパートナー」は、その実績によって以下の4段階にランク分けされています。

  • Elite
  • Diamond
  • Platinum
  • Gold

HubSpotの公式サイトからも認定パートナーを確認することができます。

上位ランクほど多様な業種・業態のトラブル回避策を熟知しており、最適な支援を提供してくれる可能性が高くなるでしょう。

HubSpot公式と導入支援会社の選び方

自社に適した依頼先は「社内リソースの充実度」と「業務プロセスの複雑さ」の2点で決まる場合が多いです。判断の前提となる両者の違いを、以下の表に整理しました。

比較項目HubSpot公式支援導入支援会社(パートナー)
主な役割仕様解説と標準機能の有効化業務設計(BPR)と実務への適合
作業の主体自社(アドバイスを受け自ら設定)支援会社(要件定義から設定まで代行)
カスタマイズ標準的な活用モデルが中心固有の商習慣や複雑な自動化に対応
データ移行インポート方法のレクチャーのみクレンジング、名寄せ、移行実務の代行
外部連携標準連携機能の助言API開発を含む高度なシステム連携

上記の役割の違いを踏まえ、自社がどちらを選択すべきかの判定基準を解説します。

HubSpot公式支援が向いているケース

条件詳細
社内にリソースがあるCRM/MAの運用経験者がおり、実設定(プロパティ作成やワークフロー構築)を自ら完結できる。
標準的なBtoBモデルに該当する特殊な商流や複雑なデータ構造を持たず、HubSpotが推奨する設計をそのまま適用できる。
ノウハウの完全内製化を急ぐ自ら手を動かして設定を行い、社内に技術的な知見を蓄積したい。

HubSpot公式の支援は、製品仕様を正しく理解するために最適です。実作業を自社で担う分、初期費用を抑えつつ、ツールの細部まで把握した管理者を育成できるのが利点です。「自社で試行錯誤する時間と人員」を確保でき、かつ既存の業務フローをHubSpotの標準仕様に合わせて最適化できる組織に適しています。

導入支援専門会社が向いているケース

条件詳細
業務フローが複雑・属人化している現状のプロセスが整理されておらず、HubSpotへの落とし込みに業務設計を必要とする。
部門間の連携・データ統合に課題があるマーケティング・営業・CS間で情報の断絶があり、組織横断的な運用ルールの策定が不可欠。
リソース不足かつ早期立ち上げを重視する兼務者が多く設定作業に時間を割けないため、プロに実務を任せて導入期間を短縮したい。

支援会社へ依頼する価値は、単なる設定作業ではなく「業務ルールの整理」にあります。プロの知見を活用して導入時のミスを未然に防ぎ、成果が出るまでの期間を短縮できます。「現場に負担をかけず、最短距離で確実な成果を出したい」と考える企業にとって、有効な選択肢です。

HubSpot導入支援会社の選び方

パートナー企業を選ぶ際、価格や「実績数」といった表面的な数字だけで判断すると、実務に即さないリスクがあります。選定において重要なのは「自社の課題にどれだけ深く介入し、実働する仕組みを構築できるか」という点です。

比較検討の軸となる3つの基準を解説します。

自社の課題に対する解決策の具体性

提示された支援プランが、自社の抱える具体的なボトルネック(営業効率の低下、リードの放置など)の解消に直結しているかを確認してください。

単なる「機能の説明」や「パッケージ化された設定代行」ではなく、自社の業務フローを理解した上での個別提案があるかが重要です。自社の要望に対して「何を実現するための設定か」という意図が明確なパートナーを選ぶ必要があります。

自社の業種・規模に近い支援実績

単なる「支援実績数」という数字ではなく「自社と類似した課題をどう解決したか」という視点を重視しましょう。

BtoBとBtoCではリード管理の考え方が根本から異なり、業種によって重視すべきKPIも変わります。同業種の商習慣を熟知しているパートナーであれば、要件定義のスピードが上がり、導入後のミスマッチを最小限に抑えられます。

内製化に向けた支援スタンス

支援終了後、自社で運用を完結させる「内製化」を支援する方針か、それとも継続的な外部依存を前提としているかを確認してください。

  • 内製化重視:操作レクチャーやマニュアル整備を徹底し、自社で改善できる状態を目指す。
  • 非内製化:設定のブラックボックス化が起きやすく、軽微な変更でも追加費用が発生する。

長期的なコストパフォーマンスを考えるなら「いずれ外部支援がなくても運用できる体制」を一緒に作ってくれるパートナーが理想的です。

HubSpot導入支援の費用相場

導入支援の費用は、「何をどこまでやるか」によって大きく変動するため、一概に相場を言い切ることはできません。支援会社によって料金体系が異なるほか、対象とするプロダクト(Hub)の数やデータ移行の複雑さによっても工数が変わるため、以下の数値はあくまで検討の基準となる参考数値としてお考えください。

支援タイプ費用の目安主な内容
公式オンボーディング約36万〜約300万円製品仕様のレクチャー、標準機能の有効化
パートナー(初期導入)約50万〜約300万円業務設計、設定代行、データ移行、独自研修
パートナー(月額伴走)月額5万〜約50万円運用改善、PDCA支援、追加の設定代行

一般的に、要件定義から初期設定までを一括で行う「初期導入支援」の場合、設定代行中心の小規模な支援から、業務設計まで踏み込む本格的な支援まで幅広く、数十万円〜数百万円単位まで大きな開きがあります。

一方で、開発元の公式オンボーディング費用は、契約するプランに応じて料金が固定されているのが特徴です。また、導入後の「伴走支援」についても、メール等によるQA対応から、定例会を含むコンサルティングまで、サポートの深さによって月額数万円〜数十万円と変動します。

代表的なHubSpot導入支援会社・パートナーの種類

国内に数百社存在する認定パートナーは、それぞれ得意領域や支援スタイルが大きく異なります。実績・専門性・顧客評価の観点で特に信頼の厚い主要企業を厳選し、各社の「強み」とともに紹介します。

株式会社100

数ある支援会社の中でも、国内トップクラスの実績を持つ「Diamond Solutions Partner」の一社です。単なるツールの設定代行にとどまらず「現場が使いこなし、成果が出る仕組み」の構築に特化しています。

項目内容
パートナーランクDiamond Solutions Partner
得意領域CRM定着支援、B2Bサイト構築(CMS)、他社SFA/MAからの移行
支援実績300社以上
強み500ページ超の解説書「HubSpot大百科」を出版する圧倒的な知見
URLhttps://www.100inc.co.jp/

「設定して終わり」ではなく、現場の使い勝手を最優先した仕組み作りが得意な企業です。他社ツールからのデータ移行や、複数部門が関わる大規模な運用においても実績を残しています。

株式会社H&K

「関わった人、組織をグロースさせる」をミッションに掲げ、支援継続率94%以上という高い顧客満足度を誇る「Platinum Solutions Partner」の一社です。

項目内容
パートナーランクPlatinum Solutions Partner
得意領域戦略コンサルティング、全Hubの導入支援、外部システム連携(API)
支援スタンス課題解決に向けた戦略設計から、運用を自走させる内製化支援まで並走
強み外部ツール(Salesforce、freee等)との高度な連携実績と高い継続率
URLhttps://www.handk-inc.co.jp/

戦略設計から実務への落とし込み、さらには外部ツールとのシステム連携まで、広範な技術力と提案力でビジネスの成長を支援します。単なるツールの導入に留まらず、KGI・KPIの策定といった経営に直結するコンサルティングを求める企業に適したパートナーです。

株式会社JBN

マーケティング基盤の構築と、導入後の「自走」支援に強みを持つ「Platinum Solutions Partner」の一社です。現場の運用担当者が迷わずツールを使いこなせるよう、教育的なアプローチを重視した支援を行っています。

項目内容
パートナーランクPlatinum Solutions Partner
得意領域マーケティング環境構築、Webサイト制作・移管、CRM実装・連携
支援スタンス運用第一の設計、内製化(自律運用)を見据えた教育的支援
強みリード集約の仕組み化、マーケター向けのノーコード環境構築
URLhttps://www.jbnet.jp/

技術リソースが限られた組織でも迷わず運用できる体制を構築します。Webサイトを営業活動の起点として機能させ、現場が自ら改善を回せる「自走」を重視する企業に適したパートナーです。

HubSpot導入支援を検討する前に整理すべきポイント

外部支援を検討する際、自社の要件が曖昧な状態では見積もりが膨らみやすく、導入後のミスマッチを招きます。相談前に整理すべき5つの必須項目をまとめました。

項目整理すべき内容
1. 導入目的と課題解決したい具体的な悩み(例:商談化率の低下、データの二重管理)を言語化する。
2. 推進体制と決裁者プロジェクト責任者(PM)と、現場の主要なステークホルダー(営業部長など)を明確にする。
3. 既存データの状況現在のデータ管理場所(Excel、他社SFAなど)と、移行が必要な情報の「量と質」を把握する。
4. 連携ツールSlack、Zoom、Gmail、名刺管理、基幹システムなど、HubSpotと繋ぐべきツールを抽出する。
5. スケジュールと予算稼働開始したい時期と、導入にかけられる予算感(初期費用と月額費用)の目安を決める。

支援会社との打ち合わせにおいて、上記の項目が整理されているほど、議論はより有意義になります。特に「経営層の関与」は不可欠です。HubSpotの導入は現場のオペレーション変更を伴うため、上層部が「なぜやるのか」を理解していないと、最終段階でプロジェクトが難航する原因となります。

自社のやりたいことを事前に文書化しておくことで、支援会社からの提案精度が高まり、最短ルートでの成果創出が可能になります。

まとめ

​​HubSpot導入を成功させる鍵は、単なる操作の習得ではなく、自社の業務に最適化した「仕組みの設計」にあります。

社内のリソースや業務の複雑さに応じて、公式支援による「型の習得」か、支援会社による「実務の構築」かを正しく選択することが重要です。どちらの道を選んでも、最終的なゴールは外部に依存し続けることではなく、自社で改善を回せる「自走」の体制を築くことにあります。

まずは自社の課題を整理した上で、信頼できるパートナーとの相性を見極め、HubSpotの導入支援を進めてみましょう。

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この記事の著者

吉田 博騎

吉田 博騎 代表取締役

大学在学中にバックパッカー(訪問カ国数55カ国)を経て、2020年にBtoBマーケティングコンサル&BPOの会社に入社。その後、コンサルティング担当&実行担当、年間70社以上を支援経験。また、入社1年目で新人歴代最高売上を達成し新人賞受賞、入社2年目で第3クオーターMVP・第4クオーターMVP ・年間MVP受賞/最速課長昇格など、数々の賞を受賞。その後、2023年に株式会社マーケティングコミットを設立。