ABMとインサイドセールスで商談化率を高める方法|ABMが必要な理由、成果を出すコツを解説
BtoB営業に携わっていると「リードは増えているのに、商談化率がなかなか上がらない」などの状況に、頭を悩ませることがあるのではないでしょうか。
「誰にでも同じようにアプローチする」従来型の営業スタイルが通用しにくくなってきているという背景があります。ABM(アカウントベースドマーケティング)とインサイドセールスを組み合わせた手法が注目されているのは、まさにこうした課題への答えを求める企業が増えているためです。
本記事では、ABMとインサイドセールスの関係性や基本的な考え方から、具体的な進め方・KPI設計・CRM活用のポイント、よくある失敗パターンと運用設計まで、実務に役立つ情報をお伝えします。
商談化率を改善したい方、ABM型営業を社内で設計したい方はぜひ参考にしてみてください。
ABMとインサイドセールスの基本
ABMとインサイドセールスという言葉は耳にしたことがあっても、両者の関係性や違いをきちんと整理できている方は意外と少ないものです。
特に「なぜ組み合わせると成果が出やすいのか」という点は、それぞれを個別に理解しているだけではなかなか見えてきません。まずは基本的な考え方から順番に確認していきましょう。
ABMとは
ABMとは「Account Based Marketing(アカウントベースドマーケティング)」の略称で、企業単位でターゲットを絞り込んだうえでアプローチするマーケティング・営業手法です。
従来のリード営業では、個人(リード)を対象にアプローチし、その中から受注につながる顧客を選別していくのが一般的な流れでした。
ABMでは発想が逆になります。最初から「受注確度が高い企業はどこか」を特定し、ターゲット企業への最適なアプローチを設計するところから始めます。
| 比較項目 | 従来型リード営業 | ABM |
|---|---|---|
| アプローチ対象 | 個人(リード) | 企業単位(アカウント) |
| ターゲット設定のタイミング | 営業段階で絞り込む | 最初から絞り込む |
| 重視する指標 | リード獲得数 | 受注確度・商談化率 |
| 営業リソースの使い方 | 幅広く薄くアプローチ | 絞ったうえで集中投下 |
ABMの最大の特徴は「量より受注確度」を重視する点です。幅広くリードを集めるのではなく、受注しやすい企業に絞って深くアプローチすることで、限られた営業リソースを効率よく使えるようになります。
関連記事:ABMとは?成果につながる戦略設計と実践方法をわかりやすく解説
インサイドセールスとは
インサイドセールスとは、電話・メール・オンライン会議ツールなどを活用し、非対面で行う営業活動のことです。実際に顧客のもとへ訪問するフィールドセールスとは異なり、オフィスや在宅環境で営業活動を完結させられます。
主な役割は、マーケティング部門から受け取ったリードを育成(ナーチャリング)しながら、商談化できる状態まで温めることです。商談化した案件をフィールドセールスへ引き渡すまでを担うケースが多く、営業プロセスの中間を支える存在として機能します。
| 比較項目 | インサイドセールス | フィールドセールス |
|---|---|---|
| アプローチ方法 | 電話・メール・オンライン | 対面・訪問 |
| 主な役割 | リード育成・商談化 | 商談・クロージング |
| 担当フェーズ | 商談前〜商談化 | 商談〜受注 |
| 1日の接触件数 | 多い傾向がある(効率的に動ける) | 少なくなりやすい(移動コストが発生) |
インサイドセールスを設けることで、フィールドセールスは受注確度の高い商談に集中できます。営業組織全体の生産性が上がりやすくなるのは、明確な役割分担があるからです。
ABMとインサイドセールスの関係性
ABMとインサイドセールスは、非常に相性の良い組み合わせです。
ABMではターゲット企業ごとにアプローチ内容を最適化する必要があります。「A社にはどんな課題があるか」「誰がキーパーソンか」「今どのタイミングにあるか」といった情報を、継続的に収集しながら接触のタイミングを判断しなければなりません。
インサイドセールスは、電話やメールを通じた継続的なコミュニケーションの中で情報を収集するのが得意な部門です。商談前の段階から顧客との接点を持ち、BANTCと呼ばれる情報を集められます。
BANTCとは、インサイドセールスにおける重要なヒアリング項目の頭文字をとったものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| B(Budget) | 予算はあるか |
| A(Authority) | 決裁権を持つ人物か |
| N(Needs) | 自社サービスを必要としているか |
| T(Timeframe) | 導入・検討の時期はいつか |
| C(Competitor) | 競合他社も検討しているか |
インサイドセールスが集めたBANTCの情報は、CRM/SFAに蓄積していくことで営業とマーケティングが共有できる資産になります。ABMを成功させるうえで、CRM/SFAを活用した部門間の連携が重要です。
ABMとインサイドセールスが注目される理由
ABMとインサイドセールスへの関心が高まっている背景には、従来型の営業スタイルが通用しにくくなってきているという現実があります。
リードを増やせば受注も増えるという時代は、すでに終わりつつあります。なぜ今、ABMとインサイドセールスが求められているのかを整理しておきましょう。
リード数だけでは成果につながりにくくなっている
マーケティング施策が多様化した結果、リードの獲得数自体は増やしやすくなりました。一方で、獲得したリードのすべてが商談や受注につながるわけではありません。
温度感の低いリードにも均等にアプローチしようとすると、インサイドセールスや営業の工数が増えるばかりで、本来注力すべき案件への対応が後回しになってしまいます。
こうした課題を受け、近年のBtoB営業ではリード獲得数よりも商談化率や受注率を重視する方向にシフトしています。量を追うのではなく、受注確度の高い企業に絞ってアプローチすることが重要です。
| 項目 | 従来の考え方 | 現在の考え方 |
|---|---|---|
| 重視する指標 | リード獲得数 | 商談化率・受注率 |
| アプローチの幅 | 幅広く薄く | 絞って深く |
| 営業への影響 | 工数が増えやすい | 注力案件に集中できる |
ターゲット企業への営業精度が求められている
かつては、幅広い企業にアプローチして反応があった先を深掘りするという手法でも一定の成果が出ていました。しかし、BtoBの購買プロセスが複雑化した現在、同じやり方では成果につながりにくくなっています。
購買に関わる意思決定者が複数存在し、検討期間も長期化しているため、企業ごとの課題や組織の事情を把握したうえでアプローチを設計することが求められます。具体的には、以下のような要素を企業ごとに把握し、最適化することが必要です。
- 業界・業種
- 企業規模(従業員数・売上規模)
- 現在利用しているツール
- 抱えている課題・経営アジェンダ
「誰にでも同じトークで営業する」スタイルから脱却し、ターゲット企業ごとに最適化されたアプローチを設計できることから、ABMへの関心が高まっています。
営業とマーケティングの分断が課題になっている
BtoB企業では、営業とマーケティングの連携不足が課題になるケースもあります 。それぞれが別の指標を追っているため、連携がうまく機能しないことが少なくありません。
| 部門 | 追っているKPI | 起きやすい問題 |
|---|---|---|
| マーケティング | リード獲得数 | 温度感の低いリードを渡してしまう |
| 営業 | 受注率・売上 | マーケ施策の意図が伝わらない |
たとえば、マーケティングが集めたリードを営業へ渡しても「営業が抱えている課題をマーケティングが把握できておらず、施策がずれてしまう」などの機会損失に直結します。
ABMでは、ターゲット企業を起点にして営業とマーケティングが同じ方向を向いて動く必要があります。部門間でKPIを統一し、情報を共有しながら連携する仕組みを整えることが、ABM運用を成功させるうえで欠かせないポイントです。
ABM型インサイドセールスの進め方
ABMとインサイドセールスを組み合わせる際に「何から手をつければいいかわからない」という声をよく聞きます。
成果につなげるためには、場当たり的に動くのではなく、決まったフローに沿って進めることが大切です。ターゲット選定から商談化まで、順を追って確認していきましょう。
1.ターゲット企業(ICP)を定義する
ABM型インサイドセールスのスタートは、ターゲット企業の定義です。ターゲット企業の定義を曖昧にしたまま進めてしまうと、受注につながりにくい企業にリソースを使い続けることになります。
ターゲット企業を定義する際は、ICP(Ideal Customer Profile=理想的な顧客像)という考え方を使います。過去の受注データや既存顧客の情報をもとに「受注しやすい企業の共通点」を洗い出していく作業です。具体的には、以下のような軸で分析していきます。
- 業界・業種
- 従業員数・企業規模
- 売上規模
- 現在抱えている課題
- 利用中のツール・システム
ICPが明確になると、アプローチすべき企業とそうでない企業の判断基準が生まれます。営業リソースを受注確度の高い企業へ集中させるために、判断基準となるターゲット企業の定義が必要です。
2.キーパーソンを整理する
ターゲット企業が決まったら、次は「誰にアプローチするか」を整理します。BtoB営業では、購買の意思決定に複数の人物が関与するケースがほとんどです。担当者レベルだけにアプローチしていても、最終的な決裁が下りないまま商談が止まってしまうことがあります。
企業内の関係者は、以下のように分類して考えると整理しやすくなります。
| 役割 | 内容 |
|---|---|
| 決裁者 | 最終的な導入可否を判断する人物 |
| 現場担当者 | 実際にサービスを使う担当者 |
| 情報収集担当 | 比較・検討を行う窓口担当者 |
誰がどの役割を担っているかを把握したうえで、それぞれに合ったアプローチを設計することが重要です。特に決裁者へのルートを意識しながら接点を広げていく視点を持つと、商談化までのプロセスがスムーズになります。
また、役割の整理と合わせて、部署ごとに抱えている課題を把握しておくことも重要です。部署ごとの課題に合わせてアプローチ内容を変えることで、キーパーソンとの会話がより具体的なものになります。
3.アプローチシナリオを設計する
キーパーソンが整理できたら、企業ごとのアプローチシナリオを設計しましょう。ABMでは、全社共通のトークや画一的なメール文面ではなく、ターゲット企業の課題や状況に合わせた内容でアプローチすることが求められます。
活用するチャネルは、以下のように組み合わせて設計するのが一般的です。
- 電話(架電):直接ヒアリングし、温度感を確認する
- メール:情報提供や資料送付でナーチャリングする
- コンテンツ活用:課題に合わせたホワイトペーパーや事例を届ける
重要なのは、1回の接触で結果を求めないことです。ABMでは継続的な接触を通じて関係性を深め、適切なタイミングで商談化につなげる流れを設計する必要があります。
4.CRM/SFAで接触履歴を管理する
アプローチを進めるなかで得られた情報は、CRM/SFAに蓄積していく習慣を作ることが大切です。「誰にいつ連絡したか」「どんな反応だったか」「次のアクションはいつか」といった情報を担当者個人の記憶や手元のメモで管理していると、引き継ぎができなくなり属人化が進みます。
CRM/SFAで接触履歴を一元管理することで、以下のメリットが生まれます。
- 担当者が変わっても情報が引き継げる
- 営業とインサイドセールス、マーケティングが同じ情報をもとに動ける
- 接触状況を分析してアプローチ精度を上げられる
CRM/SFAの入力ルールを早い段階で決めておくことが、運用を安定させるうえで重要です。ABMでは複数の企業を並行して管理することになるため、データ整備を後回しにすると運用全体の精度が下がります。
5.営業と連携して商談化につなげる
インサイドセールスがターゲット企業との接触を重ね、温度感が高まったタイミングでフィールドセールスへ連携します。商談化率に大きく影響するため、タイミングの見極めと引き渡し時の情報共有の質が重要です。
まず、インサイドセールスと営業それぞれの役割分担を明確にしておくことが大切です。役割が曖昧なまま運用すると、対応漏れや二重アプローチが発生しやすくなります。
| 役割 | インサイドセールス | フィールドセールス |
|---|---|---|
| 主な担当範囲 | リード育成・温度感の引き上げ・商談化 | 商談・提案・クロージング |
| アプローチ方法 | 電話・メール・オンライン | 対面・オンライン商談 |
| 情報収集 | BANTC情報の収集・蓄積 | 商談での課題深掘り |
| 連携タイミング | 温度感が高まった段階で引き渡し | 受け取り後に商談設計 |
役割分担が整理できたら、引き渡しの際に以下の情報をセットで共有することが理想的です。
| 共有項目 | 内容 |
|---|---|
| BANTC情報 | 予算・決裁者・ニーズ・時期・競合状況 |
| 接触履歴 | これまでのやり取りの経緯 |
| 温度感・関心事 | 現在の検討フェーズと興味を持っている点 |
| 次のアクション | 商談で確認すべき内容・提案の方向性 |
インサイドセールスと営業が情報を共有できる状態を作ることで、商談の質が上がります。引き渡し後も定期的に状況を共有し合う仕組みを整えることで、受注率の改善にもつながるでしょう。
ABM型インサイドセールスで商談化率を高めるポイント
ABM型インサイドセールスを導入しても、運用の仕方によって成果に大きな差が出ます。フローを整えるだけでなく、日々の運用で意識すべきポイントを押さえることが重要です。成果が出やすい企業に共通しているのは「量より精度」を徹底している点にあります。
ターゲット企業を広げすぎない
ABMの効果が薄れる原因として最も多いのが、ターゲット企業を広げすぎてしまうことです。「多くの企業にアプローチすれば成果が出るはず」という発想で対象を増やしていくと、1社あたりにかけられる時間と質が下がります。結果、ABMの強みである「個社への深いアプローチ」ができなくなります。
ABMで成果を出すためには、受注確度の高い企業へリソースを集中させることが重要です。ICPの定義をもとに対象を絞り、1社ずつ丁寧にアプローチする姿勢が商談化率の改善につながります。ターゲット企業の数よりも、アプローチの質を優先する意識を持つようにしましょう。
企業単位で課題を把握する
ターゲット企業が決まったら、企業ごとの課題を個別に把握することが大切です。業界や規模が似ていても、企業によって抱えている課題はまったく異なります。テンプレート化されたアプローチでは、相手の心に刺さるメッセージは届きません。
課題を把握するうえでは、以下のような視点で仮説を立てながらアプローチを設計することが有効です。
- 業界特有の課題は何か
- 企業規模から考えられる営業上の悩みは何か
- 競合他社と比較したときの自社サービスの強みはどこか
- 過去の接触履歴から見えてきた関心領域はどこか
仮説ベースでアプローチを最適化し、会話を通じて課題を深掘りしていく姿勢が、商談化率を高めるうえで重要になります。
営業とマーケでKPIを統一する
ABM型インサイドセールスで成果を出すためには、営業とマーケティングが共通のKPIを持つことが欠かせません。部門ごとに異なる指標を追っている状態では、連携が形だけになってしまい、施策の効果が半減してしまいます。
ABM運用で統一しておきたいKPIの例は、以下のとおりです。
| KPI | 内容 |
|---|---|
| SQL率 | マーケから営業へ渡したリードのうち有効商談になった割合 |
| 商談化率 | インサイドセールスが接触した企業のうち商談化した割合 |
| 受注率 | 商談化した案件のうち受注につながった割合 |
| ターゲット企業接触率 | 定義したターゲット企業のうち接触できた割合 |
部門横断でKPIを共有し、同じ数字を見ながら改善を繰り返す運用体制を作ることが、ABM成功のポイントです。
インサイドセールスのデータ整備を後回しにしない
ABM型インサイドセールスの精度は、データの質に直結します。企業情報や接触履歴が整備されていない状態では、適切なタイミングでのアプローチや、営業への的確な引き渡しができません。
特に以下のようなデータ不備は、営業精度の低下につながりやすいため注意が必要です。
- 企業情報の重複・更新漏れ
- 接触履歴の入力漏れ
- 担当者情報の属人化
CRMへの入力ルールをチーム全体で統一し、データを資産として蓄積していく意識を持つことが大切です。データ整備を後回しにすればするほど、ABM運用全体の精度が下がっていくことを念頭に置いておきましょう。
ABM型インサイドセールスにCRM/SFAが欠かせない理由
ABM型インサイドセールスを運用するうえで、CRM/SFAの活用は避けて通れません。ターゲット企業への精度の高いアプローチを実現するためには、データを整備し活用できる状態を作ることが前提になります。CRM/SFAがABM成功に直結する理由を、順番に確認していきましょう。
データが整備されていないとABMは機能しない
ABMでは、ターゲット企業ごとに最適なアプローチを設計する必要があります。しかし、企業情報や接触履歴がバラバラな状態では「どの企業にいつ誰が接触したか」「どんな反応だったか」といった基本的な情報すら把握できません。
データ不備が引き起こす主な問題は、以下のとおりです。
| 問題 | 具体的な影響 |
|---|---|
| 企業情報の重複・更新漏れ | 同じ企業に複数回アプローチしてしまう |
| 接触履歴の入力漏れ | 前回の会話内容がわからず、一から関係構築になる |
| 担当者情報の属人化 | 担当変更時に情報が引き継げず、商談機会を失う |
CRM/SFAでデータを一元管理し、常に最新の状態に保つことがABM運用の前提条件です。データ整備の質がそのままアプローチ精度に直結するため、後回しにするほど成果が出にくくなります。
「管理ツールを入れれば成果が出る」という話ではなく、データを整備し活用できる状態を作ることが、ABMの精度を左右します。
インサイドセールス活動の再現性向上につながる
成果が出ている担当者のノウハウが、チーム全体に共有されないといった属人化の問題は、多くのBtoB企業が抱えている課題のひとつです。
CRM/SFAを活用することで、以下のような再現性の高い運用が可能になります。
- 成功したアプローチパターンをデータとして蓄積できる
- 担当者が変わっても過去の接触履歴をもとに引き継ぎができる
- 蓄積されたデータをもとに、アプローチの改善を繰り返せる
担当者個人の経験や感覚に依存した営業から脱却し、チーム全体で成果を再現できる仕組みを作ることが、ABM型インサイドセールスを長期的に機能させるうえで重要です。
マーケと営業の連携強化につながる
CRM/SFAを活用することで、マーケティングと営業が同じデータを見ながら動ける状態が生まれます。これまで部門間で分断されていた情報が一元化されることで、連携の質が大きく変化するでしょう。
具体的には、以下のような変化が期待できます。
| 項目 | CRM/SFA活用前 | CRM/SFA活用後 |
|---|---|---|
| 情報共有 | 口頭・メールで個別に共有 | リアルタイムで全員が確認できる |
| 温度感の把握 | 担当者の主観に依存 | 接触履歴・行動データで判断できる |
| 引き渡しの精度 | 情報が断片的で漏れが生じやすい | 必要な情報が整理された状態で渡せる |
| 改善サイクル | 感覚ベースで属人化しやすい | データをもとに組織全体で改善できる |
マーケティングが集めたリードの温度感を営業がリアルタイムで確認できる状態になると、引き渡しのタイミングを最適化しやすくなります。これまで感覚に頼っていた営業判断をデータに基づいて行えるようになる点も、大きなメリットのひとつです。
ABM型インサイドセールスの運用設計やCRM/SFAの整備に課題を感じている方は、マーケティングコミットへお気軽にご相談ください。
ABM型インサイドセールスで重要なKPI
ABM型インサイドセールスを運用するうえで、どの指標を見るかは成果に直結する問題です。リード獲得数だけを追っていても、商談化率や受注率の改善にはつながりません。商談化率改善につながる、ABM運用で見るべき指標を整理しましょう。
ターゲット企業接触率
ターゲット企業接触率とは、定義したターゲット企業のうち実際に接触できた企業の割合を示す指標です。ABM型インサイドセールスの基礎となるKPIで、アプローチ精度を測るうえで欠かせません。
接触率が低い場合は、以下のような原因が考えられます。
- ターゲット企業のリスト精度が低い
- キーパーソンへのルートが設計できていない
- アプローチチャネルが限られている
ターゲット企業への接触率を定期的に確認することで、アプローチ設計の見直しタイミングを判断できるようになります。「狙った企業に届いているか」を確認することが、ABM運用の改善ポイントです。
有効商談化率
有効商談化率とは、インサイドセールスが接触した企業のうち、受注につながる可能性が高い商談に至った割合を指します。単純な商談数ではなく、質の高い商談の割合を見ることが重要です。
商談数が多くても有効商談化率が低い場合、以下のような問題が隠れている可能性があります。
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| ターゲット設計のズレ | 受注確度の低い企業にアプローチしている |
| 引き渡しタイミングのズレ | 温度感が低い段階で営業へ渡してしまっている |
| BANTC情報の不足 | 顧客の課題や予算感を把握できていない |
有効商談化率を改善するためには、インサイドセールスが収集するBANTC情報の質を高め、引き渡しの基準を明確にしておくことが大切です。有効商談化率が上がることで、フィールドセールスが本当に注力すべき案件に集中できるようになり、営業効率の改善にもつながっていきます。
受注率
受注率は、商談化した案件のうち実際に受注につながった割合を示す指標です。ABMの精度を総合的に測る指標として機能し、ターゲット企業の定義が適切かどうかを判断する材料にもなります。
受注率が低い場合は、以下の点を見直す必要があります。
- ICPの定義がズレていないか
- 商談時の提案内容がターゲット企業の課題と合っているか
- 競合他社との差別化ポイントが伝わっているか
受注率を継続的にモニタリングすることで、ターゲット企業の見直しや提案内容を見直す判断材料になります。ABM運用を改善するうえで、受注率は最も重要な指標のひとつといえるでしょう。
CRM入力率・データ整備率
CRM入力率・データ整備率は、インサイドセールスの活動データがどれだけ正確にCRMへ記録されているかを示す指標です。地味に見えますが、ABM運用全体の精度を左右する重要なKPIです。
入力率が低い状態では、以下のような問題が連鎖的に発生します。
- 接触履歴が把握できず、アプローチが重複する
- 営業への引き渡し時に情報が不足する
- データ分析ができず、改善サイクルが回せない
CRM入力率を高めるためには、入力項目や運用ルールをチーム全体で統一しておくことが大切です。データ整備率を定期的に確認し、入力漏れや更新漏れが発生していないかをチェックする習慣を作ることで、ABM運用の質を継続的に高めていけます。
CRMがチームに定着しているかどうかが、最終的にABMの成果を左右するといっても過言ではありません。
ABM型インサイドセールスでよくある失敗
ABM型インサイドセールスは、正しく設計・運用できれば商談化率の改善に大きく貢献します。一方で、陥りやすい失敗パターンがいくつかあります。
ツールを導入しただけで満足してしまったり、運用設計が不十分なまま動き始めてしまったりするケースも少なくありません。事前に代表的な失敗パターンを確認しておきましょう。
ターゲット企業の定義が曖昧
ABMで最も多い失敗のひとつが、ターゲット企業の定義が曖昧なまま運用を始めてしまうことです。「なんとなく大手企業を狙う」「業界だけ絞って対象を広げすぎる」といった状態では、受注につながりにくい企業へのアプローチに時間とリソースを費やすことになります。
ICP(理想的な顧客像)の設計が不十分だと、以下のような問題が生じます。
- 営業対象が広がりすぎて1社あたりのアプローチ品質が落ちる
- 受注しにくい企業を追い続けて商談化率が改善しない
- 成果が出ない原因が特定しにくくなる
ターゲット企業の定義は、ABM運用の精度を決める重要な部分です。受注実績のある企業の共通点を丁寧に分析し、ICPを明確にしてから運用をスタートしましょう。
インサイドセールス活動が属人化している
「特定の担当者だけが成果を出している」「担当者が変わったら商談化率が下がった」という状況は、インサイドセールス活動が属人化しているサインです。個人の経験やノウハウに頼っていると、チーム全体での再現性が生まれません。
属人化が進む主な原因は、以下のとおりです。
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| CRM未活用 | 接触履歴や商談情報が個人管理になっている |
| ナレッジ共有不足 | 成功パターンがチームに展開されていない |
| 評価基準の曖昧さ | 何をもって成果とするかが統一されていない |
属人化を防ぐためには、CRMへの入力を徹底し、成功・失敗の事例をチーム全体で共有する仕組みを作ることが大切です。担当者が変わっても同じ水準でアプローチできる状態を目指しましょう。
CRM/SFAが活用されていない
CRM/SFAを導入したにもかかわらず、実際には入力されない・更新されないという状況はよくある問題です。「入力が面倒」「使い方がわからない」といった理由で定着しないまま放置されると、情報がチームに共有されません。
CRM/SFAが活用されていない状態が続くと、以下のような問題が連鎖します。
- 接触履歴が把握できず、同じ企業へ重複アプローチが発生する
- 営業への引き渡し時に必要な情報が揃っていない
- データが蓄積されないため、改善のための分析ができない
CRM/SFAを定着させるためには、入力項目を必要最低限に絞り、運用ルールをシンプルに設計することが重要です。ツールの使い方よりも「なぜ入力が必要か」をチームで共有することが、定着への近道になります。
営業とマーケの連携が分断している
営業とマーケティングのKPIがズレていると、せっかくABMの仕組みを整えても成果につながりにくくなります。
マーケティングはリード数、営業は受注率と、部門ごとに追う指標がバラバラな状態では、どのタイミングでリードを引き渡すべきかの基準が曖昧になりがちです。温度感の低い案件が営業へ流れ込むことで、対応工数だけが増えていき、商談化率の低下にもつながります。
連携が分断しているときに起きやすい問題は、以下のとおりです。
- マーケティングが渡したリードを営業が「使えない」と判断する
- 温度感の低いリードが営業へ流れ込み、対応工数が増える
- どの施策が受注に貢献しているか把握できない
営業とマーケティングが共通のKPIを持ち、定期的に情報を共有し合う場を設けることが、連携改善のポイントになります。ABMでは部門横断の運用設計が成果を左右するため、組織全体で取り組む意識が欠かせません。
施策が単発で終わっている
ABMは、一度アプローチして終わりではありません。ターゲット企業との関係を継続的に深めながら、適切なタイミングで商談化につなげていく中長期的な取り組みです。単発の施策を繰り返すだけでは、ABMの本来の効果は発揮されません。
以下は施策が単発で終わってしまう主な原因です。
- 効果測定の仕組みがなく、改善サイクルが回せていない
- データが蓄積されていないため、次の施策に活かせない
- 運用体制が整っておらず、継続的な改善ができない
ABMで成果を出し続けるためには、データをもとに仮説を立て、アプローチを改善し続ける運用体制を設計することが重要です。単発施策から脱却し、継続的な改善の循環を作ることが、商談化率の安定した向上につながっていきます。
ABMとインサイドセールスで成果を出すには「運用設計」が重要
ABM型インサイドセールスで成果を出すためには、営業・マーケティング・データ連携の三つを整えたうえで、運用設計に取り組むことが重要です。
ターゲット設計・アプローチシナリオ・データ整備・KPI統一・連携設計と、それぞれの要素がひとつの流れとして機能する状態を作ることが、商談化率改善への道筋になります。
特にCRM/SFAの設計とデータ整備は、ABM運用の精度を左右するため、入力ルールや運用フローまで含めて取り組む必要があります。
「ABMを始めたいが、何から手をつければいいかわからない」「インサイドセールスの運用を見直したいが、社内だけでは限界を感じている」といった課題を抱えている場合、外部の支援を活用することも選択肢のひとつです。
マーケティングコミットでは、ABM運用設計・CRM設計・データ整備・営業とマーケティングの連携構築まで、一気通貫で支援しています。自社の営業課題をデータと運用の両面から整理したい方は、ぜひ一度ご相談ください。
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