インサイドセールスKPI入門|成果につながる指標と設定方法

インサイドセールスKPI入門|成果につながる指標と設定方法

インサイドセールスのKPIを管理するうえで「インサイドセールスを立ち上げたばかりで、何から手をつければいいかわからない」「KPIを設定したものの、成果につながらない」とお悩みではないでしょうか。

KPIが適切に設定・運用できていないと、チームは目標を見失い、非効率な活動を続けることになりかねません。

本記事では、インサイドセールスについて課題を抱える方に向けて、インサイドセールスのKPI設定から運用・改善までを具体的に解説します。

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1. インサイドセールスにおけるKPIとは?

KPI(重要業績評価指標)とは、KGI(重要目標達成指標)という最終的なゴールを達成するためのプロセスにおいて、目標達成度合いを測る中間指標のことです。

インサイドセールスがKPIを設定する主なメリットは以下の3つです。

  • ボトルネックを特定できる:商談化までの各プロセスを定量的に管理することで、どこに問題があるかを早期に発見し、迅速に軌道修正できます。
  • 目標への進捗を把握できる:設定した目標に対して、現在どの程度の進捗があるかを客観的に把握し、チーム全体で共有できます。
  • データに基づいたマネジメントが可能になる:個人の経験や勘に頼るのではなく、データに基づいた論理的なマネジメントを実現できます。

2. 代表的なインサイドセールスのKPI指標

インサイドセールスのKPIは、その役割や目的に応じて様々な指標があります。代表的な指標をタイプ別に紹介します。

指標タイプ指標役割・注意点
活動量KPI架電件数/架電率新規顧客開拓における電話をかけた件数や、対象リストに対する架電の割合。量を追うだけでなく、会話の質も同時に評価することが重要です。
送信メール数リードナーチャリングや新規アプローチのために送付したメールの数。件数だけでなく、開封率やクリック率と合わせて評価しましょう。
商談化数獲得したリードを商談に繋げられた件数。商談の「質」も合わせて評価しないと、有効な商談につながらない可能性があります。
成果KPIアポ率/商談化率アプローチしたリードのうち、アポイントや商談に繋がった割合。インサイドセールスの活動効率を測る最も重要な指標の一つです。
受注率商談に繋がった案件のうち、受注に至った割合。この数値が低い場合、フィールドセールスとの連携や、渡す案件の質の双方を見直す必要があります。
リード育成KPIMQL数マーケティング活動を通じて獲得した、見込みの高いリード(Marketing Qualified Lead)の数。マーケティング部門との連携の質を測る重要な指標です。
SQL数インサイドセールスが商談化に成功したリード(Sales Qualified Lead)の数。SQL数が少ない場合は、リードの選別基準を見直しましょう。
品質・効率KPI商談1件あたりのコスト商談を獲得するためにかかったコスト。コストが低ければ良いわけではなく、獲得した商談の質と合わせて評価することが重要です。
成約期間リード獲得から成約に至るまでの期間。期間が短いほど、効率が良いと言えます。

KPIは、その指標が示す時間のサイクルと、運用の目的に応じて管理頻度を変えるのが一般的です。

例えば、日々の活動量をチェックする架電件数や会話成功件数などは日次で、より長期的な視点での分析が必要な商談化率や受注率などは週次や月次で管理することで、効果的なKPIマネジメントがしやすくなります。

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3. KPI設定の考え方

成果につながるKPIを設定するためには、ただ指標を並べるだけではなく、以下の考え方に基づいて設計することが重要です。

KGIからの逆算

最終的なゴールであるKGI(例:年間売上目標1億円)から逆算して、各プロセスのKPIを設定する方法です。KPIツリーを作成することで、どの指標を改善すればKGI達成に繋がるかが明確になります。

ただし、以下の点には注意が必要です。

注意点詳細
実現可能なKPIに分解できているか設定したKPIが、現実的なリソースや外部環境に照らし合わせて無理のない数値になっているかを確認しましょう。非現実的な目標は、チームのモチベーション低下に繋がりかねません。
KPI同士の因果関係を正しく理解しているか「架電数を増やせば商談数も増える」といった単純な関係だけでなく「架電の質が商談化率の向上に繋がる」といった、より深い因果関係を考慮することが重要です。
常に変動することを想定しているか設定したKPIはあくまで現時点での仮説です。市場の変化などに合わせて、定期的に見直し、柔軟に調整する姿勢が求められます。

営業プロセスの分解

「リード獲得→架電→商談→受注」といった営業プロセスを細かく分解し、それぞれのフェーズで適切なKPIを設定します。営業プロセスを分解することで、どの段階にボトルネックがあるかを特定しやすくなります。

例えば「リードは増えているのに、商談数が伸びない」という課題があるとします。この場合、プロセスを分解してKPIを追うことで、以下のようなボトルネックを特定できます。

課題示唆されるボトルネック
「リード数」は多いが「架電後の会話成功率」や「商談化率」が低い。リードの質が低い:マーケティング部門から受け取るリードの質が、インサイドセールスのターゲットと合っていない。トークスクリプトに問題:担当者が電話でニーズを引き出せていない、あるいは魅力的に商談を提示できていない。リストの鮮度が低い:獲得したリードにすぐにアプローチできていない。

一方で、次のような注意点があります。

注意点詳細
分業が不十分な企業には不向きプロセスが明確に分かれていない場合、担当者が複数の役割を兼任するため、どのKPIを誰に設定すべきか不明確になりがちです。
KPIの設定が細かくなりすぎないよう注意細かすぎるKPIは管理が煩雑になり、かえって業務効率を下げてしまう可能性があります。重要な指標に絞って設定しましょう。

役割別のKPI設定

インサイドセールスの役割をSDR(反響型)とBDR(新規開拓型)に分ける場合、それぞれに合わせたKPIを設定します。

  • SDR(反響型):MAツールなどを活用したリード育成が中心となるため、フォローアップ数、商談化数/率などが重要になります。
  • BDR(新規開拓型):リスト作成やコールドコールが中心となるため、ターゲットリストアップ数、架電数、アポイント獲得数/率などが重要になります。

この方法は、特に以下のような企業におすすめです。

  • SDR・BDRでチームの役割を明確にしたい企業
  • 反響への迅速な対応力や、新規開拓のための実行力など、各担当者の専門性を評価したい企業

一方で、次のような注意点があります。

注意点詳細
担当者のキャリアパスを考慮する役割を固定することで、担当者のスキルが偏ってしまう可能性があります。定期的なローテーションや、両方の役割を経験できるキャリアパスを準備することが重要です。
情報共有を徹底する役割分担が明確になることで、SDRとBDR間で情報が共有されにくくなるリスクがあります。SFA/CRMツールなどを活用し、シームレスな情報連携を保つことが不可欠です。
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4. KPI運用と改善のポイント

KPIは設定して終わりではありません。インサイドセールスの成果を最大化するためには、設定後のPDCAサイクルを継続的に回すことが不可欠です。

定期的な振り返り

KPIの進捗は、週次や月次でチーム全体で定期的に確認しましょう。単に数字を報告するだけでなく「目標と現状のギャップ」を共有し、その背景にある要因を掘り下げて議論することが重要です。

例えば、週次ミーティングでは、メンバー個人の日次KPI(架電件数や商談数など)の達成状況を確認し、目標未達のメンバーには具体的なアドバイスを行います。また、月次ミーティングでは、チーム全体の月次KPI(商談化率や受注率など)の推移を分析し、部門全体の課題や成功要因を特定します。

振り返りの場を設けることで、チームメンバー全員が同じ方向を向いて活動できているかを確認し、個人のモチベーション向上にも繋がります。

数値分析による改善施策の立案

進捗が芳しくない場合は、その原因を数値データから分析し、具体的な改善施策を立案します。

例えば「アポ件数が目標に達していない」という課題があったとします。アポ件数が未達の場合、考えられる原因と改善策は以下の通りです。

原因課題例改善策
リストの質が低い場合月の架電件数が目標の1,000件に対し、アポ率が1%と低い。ターゲットリストを見直し、より確度の高い企業や担当者のリストを再作成する。
担当者のスキル不足の場合架電件数は目標通りでも、会話成功率が5%と平均(10~15%)より著しく低い。トークスクリプトを改善する、ロールプレイングを通じてスキルアップを図る。
活動時間の非効率性の場合担当者の勤務時間中の架電時間が20%しかなく、多くの時間が事務作業に費やされている。架電する時間帯を分析し、相手が電話に出やすい時間帯に集中して架電するよう見直す。

単に「架電件数を増やせ」と指示するのではなく、データに基づいた要因分析を行うことで、効果的な改善策を立案できます。

SFA/CRMツールの活用

これらのKPI運用を効率的に行うためには、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)ツールの活用が不可欠です。

SFA/CRMツールを導入することで、以下のメリットがあります。

メリット内容
データの自動集計・可視化架電数や商談数、受注率といったKPIを、担当者の活動履歴から自動で集計し、ダッシュボードでリアルタイムに可視化できます。手動での集計作業が不要になり、分析に集中できます。
迅速な課題特定チーム全体のKPI推移や、メンバーごとの活動状況を瞬時に把握できるため、問題が発生した際にすぐに対応できます。
例えば、特定のメンバーの商談化率が急に下がった場合、すぐにその原因をヒアリングし、サポートすることが可能です。
部門間のシームレスな連携インサイドセールスがSFA/CRMに入力した情報は、フィールドセールスやマーケティング部門とリアルタイムで共有されます。
商談の質に関するフィードバックや、リード情報の連携がスムーズになり、部門横断でのデータに基づいた意思決定が可能になります。

ツールを活用することで、データに基づいた迅速な意思決定や、より効果的な改善施策の実行が可能になります。

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5. インサイドセールスの成功事例

弊社のインサイドセールス支援により、大きな成果を上げた企業の事例をご紹介します。

営業体制ゼロから成果を出したBDR支援

サービス立ち上げ初期で営業体制がゼロの状態から、弊社のKPI設計支援とPDCAサイクルの高速回転をサポート。その結果、わずか6ヶ月で合計50件以上のアポイントを獲得し、提案化率66.7%以上、受注社数6社を達成しました。

ROAS200%を達成した支援

インサイドセールス部門やコアターゲットの定義がない状態から、弊社のインサイドセールスBDR代行支援を1.5年間導入。その結果、3ヶ月目でコアターゲットを発見し、アポイント数を最大化。受注ROAS200%以上を達成しました。

6.  まとめ

インサイドセールスにおけるKPI設定は、単なる目標管理ではなく、チームのパフォーマンスを最大化し、成果を向上させるために重要です。KGIから逆算し、営業プロセスを分解して適切な指標を設定し、PDCAサイクルを回すことで、データに基づいたマネジメントが可能になります。

もし、インサイドセールスの立ち上げやKPI運用にお悩みでしたら、プロの支援を検討してみてはいかがでしょうか。成果を出すためのKPI設計から実行まで、貴社の状況に合わせた最適なご提案をいたします。「自社で内製化できるまで支援してほしい」といったご要望がございましたら、ぜひ当社にご相談ください。

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この記事の著者

吉田 博騎

吉田 博騎 代表取締役

大学在学中にバックパッカー(訪問カ国数55カ国)を経て、2020年にBtoBマーケティングコンサル&BPOの会社に入社。その後、コンサルティング担当&実行担当、年間70社以上を支援経験。また、入社1年目で新人歴代最高売上を達成し新人賞受賞、入社2年目で第3クオーターMVP・第4クオーターMVP ・年間MVP受賞/最速課長昇格など、数々の賞を受賞。その後、2023年に株式会社マーケティングコミットを設立。